
毎日の食事の中で「気づいたら野菜が傷んでいた」「作りすぎて残ってしまった」という経験はないでしょうか。
実は、日本では年間約500万トンもの食品ロスが発生しており、その約半分は家庭から出ているとされています。
食品ロスは、家計への負担だけでなく、CO2排出などの環境負荷にもつながる問題です。
しかし、ちょっとした工夫で、食品ロスは大幅に減らすことができます。
この記事では、消費者庁や自治体が推奨する食品ロスを減らすコツを、買い物・調理・食事の各場面に分けてご紹介します。
今日から実践できる具体的な方法ばかりですので、ぜひ参考にしてください。
食品ロスを減らすコツは「買う・作る・食べる」の3ステップ

食品ロスを減らすための基本は、「買い物時:必要な分だけ買う」「調理時:食べきれる量を作る」「食事時:おいしく食べきる」という3つのステップです。
この考え方は、消費者庁の「めざせ!食品ロス・ゼロ」キャンペーンや東京都環境局の「食品ロスゼロアクション」でも推奨されています。
特別な道具や技術は必要なく、日常の習慣を少し変えるだけで、誰でも取り組むことができます。
それぞれのステップで具体的に何をすればよいのか、詳しく解説していきます。
なぜ食品ロスが発生するのか|原因を知ることが対策の第一歩

家庭での食品ロスの主な原因
家庭で発生する食品ロスには、主に以下のような原因があるとされています。
- 買いすぎによる期限切れ
- 冷蔵庫の奥に入れたまま忘れてしまう
- 作りすぎて食べきれない
- 野菜の皮や芯を過剰に廃棄する
- 外食時に注文しすぎて残す
これらの原因を見ると、計画性の不足や食材管理の甘さが大きな要因であることがわかります。
逆に言えば、計画的に買い物をし、適切に食材を管理することで、多くの食品ロスは防げる可能性があります。
食品ロスがもたらす影響
食品ロスは、単に「もったいない」というだけの問題ではありません。
まず、家計への影響があります。
使い切れずに捨ててしまう食品は、そのままお金を捨てているのと同じことです。
また、環境への影響も深刻です。
食品を生産・輸送・保管するためにはエネルギーが使われており、廃棄する際にもCO2が排出されます。
SDGs目標12.3では、2030年までに小売・消費者段階の食品廃棄を半減することが掲げられています。
買い物時の食品ロスを減らす3つのコツ

コツ1:買い物前に冷蔵庫の中身を確認する
食品ロスを減らす第一歩は、買い物に行く前に冷蔵庫の中身を確認することです。
何があるかを把握せずに買い物に行くと、同じものを重複して買ってしまったり、期限が近い食材があるのに新しいものを買ってしまったりする可能性があります。
消費者庁や楽天などの企業も推奨している方法として、以下の習慣が効果的とされています。
- 冷蔵庫の中身を確認してから買い物リストを作成する
- 空腹時の買い物を避ける(衝動買いを防ぐため)
- 2~3日分を目安に適量を購入する
スマートフォンで冷蔵庫の中を撮影しておくと、買い物中に確認できて便利です。
コツ2:「てまえどり」を実践する
「てまえどり」とは、スーパーやコンビニの棚で、手前に陳列されている商品(期限が近いもの)から購入するという取り組みです。
東京都環境局や新潟市などの自治体が推進しているこの取り組みは、店舗側の食品ロス削減に大きく貢献します。
すぐに食べる予定のものであれば、棚の奥から取る必要はありません。
一人ひとりの小さな行動が、社会全体の食品ロス削減につながると考えられます。
コツ3:必要な分だけ買う
「安いから」「お得だから」という理由で大量に購入しても、使い切れなければ結局は損をしてしまいます。
燕三条市や和歌山県などの自治体では、以下のような購入方法を推奨しています。
- ばら売りや少量パックを選ぶ
- 大容量の調味料よりミニサイズを優先する
- 規格外野菜を積極的に活用する
規格外野菜は、形や大きさが規格に合わないだけで味や栄養価は通常のものと変わりません。
価格も抑えられていることが多いため、家計にも優しい選択となります。
調理・保存時の食品ロスを減らす2つのコツ

コツ4:冷蔵庫を整理して食材を見える化する
冷蔵庫の中が整理されていないと、食材が奥に追いやられて存在を忘れてしまいます。
キユーピーやCUC(千葉商科大学)などが推奨する冷蔵庫整理の方法は以下のとおりです。
- 食材にラベルを貼り、購入日や期限を記入する
- 期限が近いものは手前や目立つ場所に配置する
- 定位置を決めて、同じ種類の食材は同じ場所に保管する
また、野菜は下処理をして冷凍保存することで、長期間保存できるようになります。
茹でたり、カットしたりして小分けにしておくと、調理時間の短縮にもつながります。
コツ5:食べきれる量を調理し、まとめ作りを活用する
作りすぎは食品ロスの大きな原因となります。
楽天やYanmarなどの企業が発信している情報によると、以下のような工夫が効果的とされています。
- 残り食材から優先的に使用する
- 作りすぎを避け、足りなければ追加で作る
- 野菜の皮やヘタは薄くむき、余った部分は別の料理に活用する
- リメイクレシピを活用して、余った料理を別のメニューに変身させる
また、CUCや和歌山県が推奨する「まとめ作り」も有効な方法です。
1週間分のおかずをまとめて作り、小分けにして冷凍・冷蔵保存しておくことで、計画的に消費できるようになります。
食事・外食時の食品ロスを減らす2つのコツ
コツ6:外食時は食べられる量だけ注文する
外食時の食品ロスも見逃せません。
新潟市では「20・10・0運動」として、宴会時の食品ロス削減を推進しています。
この運動の内容は以下のとおりです。
- 20:料理の量を通常より20%減らす
- 10:残った料理の10%を持ち帰る
- 0:残り物をゼロにする
個人の外食でも、以下のような心がけが大切です。
- 自分が食べきれる量を把握して注文する
- 小盛りやハーフサイズがある場合は活用する
- 残してしまいそうな場合は、持ち帰りが可能か確認する
コツ7:持ち帰りを積極的に活用する
最近では、食べ残しの持ち帰りに対応する飲食店が増えてきています。
東京都環境局でも持ち帰り推進を呼びかけており、食べきれなかった場合は遠慮なく持ち帰りを相談することが推奨されています。
ただし、持ち帰った食品は早めに消費し、食中毒には十分注意することが大切です。
最新のトレンド|アプリやフードドライブの活用
家庭ロス削減アプリの活用
2024年以降、食品ロス削減をサポートするアプリがSNSで話題となっています。
冷蔵庫の中身を管理したり、期限が近い食材を使ったレシピを提案したりする機能を持つアプリが登場しています。
これらのツールを活用することで、より効率的に食材を管理できるようになると考えられます。
フードドライブへの参加
楽天やキユーピーなどの企業が推進している「フードドライブ」は、家庭で余っている食品を集めて、必要としている人や施設に届ける活動です。
消費期限内に使い切れそうにない食品がある場合は、フードドライブに寄付することで、食品ロスを減らしながら社会貢献もできます。
お住まいの自治体やスーパーマーケットで実施されていることがありますので、確認してみることをお勧めします。
まとめ|小さな習慣の積み重ねが食品ロス削減につながる
食品ロスを減らすコツは、決して難しいものではありません。
買い物前の冷蔵庫チェック、てまえどりの実践、食べきれる量の調理など、日常の小さな習慣を少し変えるだけで、大きな効果が期待できます。
改めて、7つのコツを整理すると以下のとおりです。
- 買い物前に冷蔵庫の中身を確認する
- てまえどりを実践する
- 必要な分だけ買う
- 冷蔵庫を整理して食材を見える化する
- 食べきれる量を調理し、まとめ作りを活用する
- 外食時は食べられる量だけ注文する
- 持ち帰りを積極的に活用する
食品ロスを減らすことは、家計の節約、環境への貢献、そしてSDGsの達成にもつながります。
まずは、今日の買い物から「冷蔵庫チェック」を始めてみてはいかがでしょうか。
一人ひとりの小さな行動が、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩となります。