訃報を受けた時の悲しみは深いものがあります。
年輩の方々は過去に葬式に出席した経験があるでしょうが、若い人たちはそのような儀式に参列する機会が少なく、どのようなものか理解していないことが多いかもしれません。
そこで、今回は「お通夜」と「葬式（葬儀・告別式）」の違い、それぞれの儀式でどのようなことが行われるのか、そして参列する際に知っておくべきマナーやふるまいについてご紹介します。
これらの流れをあらかじめ把握しておくことで、安心して儀式に参列できます。
「お通夜」と「葬式（葬儀・告別式）」の概要
人が亡くなると行われる儀式には、「お通夜」と「葬式（葬儀・告別式）」があります。
通常、お通夜は亡くなった翌日の夜に行われ、葬式はその次の日の昼に執り行われることが多いです。
これらは2日間続くことが一般的な流れです。
「お通夜」について
お通夜は、故人が亡くなった後の最初の夜に主に夕方から行われる儀式ですが、予期せぬ不幸の発生、僧侶のスケジュール、火葬場の予約状況や暦の六曜などにより、実施する日にズレが生じることがあります。
私が過去に参列したお通夜では、故人が亡くなったその日や数日後に行われることがありました。
お通夜は故人と親しかった人々が集まって最後のお別れをする時間で、通常1時間から1時間半ほどです。
以前は故人の親しい人だけが参列するものでしたが、最近では遠い関係の人も参列するようになっています。
参列者が帰った後、喪主や家族は一晩中ろうそくやお線香を絶やさずに故人と過ごします。
これが「通夜」という言葉の由来になっています。
「葬式（葬儀・告別式）」について
お通夜の次の日の午前中には、「葬式（葬儀・告別式）」が執り行われます。
この日は葬儀と告別式が一続きで行われ、「お葬式」として一般に呼ばれています。
この儀式では、僧侶による読経や参列者の焼香、そして棺の搬出が含まれます。
この段階で参列者は式場を後にし、親族は火葬場へと進みます。
大見出し：「お通夜」と「葬式（葬儀・告別式）」の流れの違い
基本的な違いを理解した上で、それぞれの儀式でどのように進行するかを見ていきましょう。
「お通夜」の流れ
【お通夜の流れ】約1時間から1時間半
1.僧侶による読経
↓
2.遺族及び親族による焼香
↓
3.一般参列者による焼香
↓
4.僧侶による法話
↓
5.喪主からの挨拶
↓
6.通夜ふるまい（軽食または飲み物が提供される）
※通常、親族のみが対象で、他の参列者には提供されないことが多いです。
お通夜に参列する際は、上記の手順に従って式が進行します。
式場のスタッフが案内してくれるので、その指示に従ってください。
参列者が主に行うことは、第3項の焼香です。
その他の時間は基本的に座っているだけで良いので、故人との最後のひとときを静かに過ごしましょう。
通夜ふるまいに関しては、最近は親族だけで行うことが多く、他の参列者はその前に退場するのが普通です。
「葬式（葬儀・告別式）」の流れ
明日には葬式が行われることになります。
一般的に「葬式」と呼ばれているのは、「葬儀」（故人をあの世へ送るための儀式）と「告別式」（参列者が故人との別れを告げる儀式）のことを指します。
現在はこれら二つの儀式を一つとして捉え、以下のような手順で進められます。
【葬儀・告別式の流れ】約2時間
1.僧侶による読経
↓
2.遺族と親族による焼香
↓
3.一般参列者による焼香
↓
4.追悼の言葉や弔電の紹介
↓
5.喪主による感謝の挨拶
↓
6.遺族が故人に最後の別れを告げ、棺に花を飾る
↓
7.出棺、棺を霊柩車へ移動し、喪主による最終の挨拶で送り出す
（この時点で一般参列者は帰宅する）
その後、遺族と近親者だけで火葬場へ移動し、火葬、骨上げ、初七日法要、精進落としを行い、式を終えます。
葬式で一般参列者が主に関わるのは、第3項の焼香です。
喪主による第5項の挨拶が終われば、式の大部分は終了となりますが、遺族が故人との最後のお別れをする第6項では、遠くからその様子を見守ります。
第7項の出棺の際には、故人とその家族が火葬場へと向かうのを見送り、これが最後の別れとなります。
心を込めて故人を送り出しましょう。
ここで一般参列者は式を終え、帰宅します。
「お通夜」と「葬式（葬儀・告別式）」への参加を考える
訃報を受けたとき、故人の「お通夜」と「葬式（葬儀・告別式）」への案内を受けることが多いですが、どちらに参列すれば良いのか悩むことがあります。
昔は、お通夜は親族や親しい人たちが集まる場で、告別式はより多くの人が参列する場とされていました。
しかし、今ではそのような区分けはあまり意識されず、特に故人と深い関係がなかった人も、お通夜に参列することが多いです。
これは、お通夜が夜に行われるため、参列しやすいからでしょう。
何よりも大切なのは、故人への思いを表すことです。
どちらに参列するかについてあまり悩む必要はありません。
親しい人であれば、可能であれば両方に参列するのがベストです。
私の経験では、親族が亡くなったときはいつもお通夜と告別式両方に参列していますが、知人や友人の場合は、お通夜のみに参参列ることが多いです（都合がつかない場合を除く）。
友人が亡くなった場合は、特に親しい友達なら両方に、そうでなければお通夜だけに参列すると思います。
「お通夜」と「葬式（葬儀・告別式）」の違いを知って安心
「お通夜」と「葬式（葬儀・告別式）」の違いとそれぞれの詳細について説明しました。
参列経験がない場合は、何をどうすれば良いかわからず不安になるものです。
これらの情報が、必要な時に役立てられることを願います。
参列する際に最も大切なのは、故人に対する心からの思いを大切にすることです。
細かいマナーや規則に縛られすぎず、故人との最後の時間を大切にし、意味あるものにしましょう。
