最近の鯖缶ブームにより、鯖缶の需要が増えています。
DHAやEPAなどの栄養素が豊富で、健康やダイエットにも効果的です。
保存がきき、開けるだけですぐに食べられる手軽さも魅力です。
しかし、鯖缶を開けると独特の臭いが気になることがあります。
その臭いが苦手で食べられないという方も多いのではないでしょうか。
自分は平気でも、家族や子どもが嫌がると料理に使いづらいですよね。
実は、鯖缶の臭いには対策があります。
鯖缶特有の魚臭さの原因とその対処法を知れば、臭いを気にせず美味しく食べられるようになります。
この記事では以下の内容を紹介します:
- 鯖缶の臭いの原因
- 鯖缶の臭いへの対処法
- 鯖缶の臭いを消す際の注意点とコツ
- 鯖缶の臭いを和らげる調理方法
- 鯖缶を捨てた後の臭いを消す方法
ぜひ参考にしてみてください。
鯖缶の臭いの原因
鯖缶を開けたときに感じる独特の生臭さの主な原因は、鯖から発生するトリメチルアミンという成分です。
鯖の体内にはトリメチルアミンオキシドという物質が含まれており、漁獲後に鯖の体に付着した細菌がこれに作用してトリメチルアミンが生成されます。
この成分が鯖特有の臭いの原因となります。
鯖が漁獲されてから鯖缶に加工されるまでの過程でトリメチルアミンが発生します。
揮発性があるものの、缶詰の密封状態では加熱しても揮発しきれず、臭みが残るのです。
鯖缶の臭いへの対処法
鯖缶の臭いの原因は、鯖の体から発生するトリメチルアミンです。
この成分は「アルカリ性で揮発しやすく、水に溶けやすい」という特徴があります。
これらの特性を利用して、臭みを取り除いたり、隠したりする方法を6つご紹介します。
酸性の食材と組み合わせる
トリメチルアミンはアルカリ性のため、酸性の調味料や食材と組み合わせると中和されて臭いが解消されます。
酸性の調味料としては、お酢、しょう油、ポン酢などがあります。酸性の食材にはレモンやすだちのような柑橘類、トマト、チーズなどがあります。
これらの調味料や食材を鯖に直接かけるだけで、簡単に臭いを抑えることができます。
アルコールと一緒に加熱する
トリメチルアミンは加熱することで揮発します。
そのため、鯖缶を他の食材と一緒に炒めたり、煮たり、炊き込みご飯にするのがおすすめです。
ただし、未開封の缶のまま湯煎するだけではトリメチルアミンは揮発しません。
缶から鯖を取り出して加熱する必要があります。
さらに、アルコールと一緒に加熱すると揮発が促進されます。
アルコールは揮発する際に臭い成分を一緒に取り除く効果(共沸効果)があります。
みりんや料理酒、ワインなどのアルコールを含む調味料を使用すると、コクや旨味も加わり、一石二鳥です。
鯖缶の汁を使わない
鯖缶の汁にはDHAやEPAといった栄養素が豊富に含まれていますが、臭いが気になる場合はその汁を使わないという方法もあります。
トリメチルアミンは水に溶けやすいため、鯖缶の汁にも多く含まれています。
そのため、汁ごと使用すると調理方法によっては魚臭さが残ることがあります。
栄養価は下がるものの、臭いを抑えるためには汁を捨てることも一つの手段です。
ポリフェノールと一緒に加熱する
ごぼうやレンコン、ワイン、玄米などにはポリフェノールが豊富に含まれています。
ポリフェノールはトリメチルアミンと結びついて魚の臭いを抑える効果があります。
ごぼうやレンコンのアクに含まれるポリフェノールは、切った後は水や酢水に浸けずに、そのまま調理に使うと良いでしょう。
玉ねぎ、長ねぎ、ニラ、ニンニクを組み合わせる
ネギ科の野菜にはアリシン(硫化アリル)という成分が含まれています。
これは玉ねぎやニンニクを食べた後に口の中に残る独特の臭いの元です。
アリシンはトリメチルアミンと反応し、魚の臭いを取り除く効果があります。
刻んで一緒に加熱したり、薬味として使ったりすると良いでしょう。
香辛料で臭いをマスキングする
香辛料にはトリメチルアミンの臭いを隠す効果(マスキング効果)があります。
香辛料は大きく分けて2種類あります。
- スパイス:ニンニク、唐辛子、黒コショウ、生姜など
- ハーブ:タイム、フェンネル、セージ、ローレルなど
スパイスやハーブは強い香りと風味を持ち、魚の臭いを効果的に抑えます。
香辛料を使うことで、鯖缶料理をエスニック風や洋風にアレンジすることができます。
鯖缶の臭みを抑えるためのポイントとコツ
鯖缶を加熱調理するときに重要なのは換気です。
トリメチルアミンは揮発しやすいため、換気をしないと臭いが部屋中に広がりやすくなります。
その結果、カーテンやカーペットに魚臭さが染み付いてしまうことも。
臭いを迅速に部屋から排除するためのコツを2つご紹介します。
- 調理前に部屋の窓を20cmほど開けておく
- 調理を始める前から換気扇を回し、窓から換気扇への風の通り道を作る
これらのコツを実践することで、部屋に魚臭さが広がるのを防ぎ、臭いを速やかに消すことができますので、ぜひお試しください。
鯖缶の臭いを抑える調理方法
調味料や薬味を活用してそのまま食べる
鯖缶の鯖にお酢やしょう油、ポン酢をかけるだけで、魚臭さをある程度抑えることができます。
さらに、すりおろした生姜や大根、刻んだネギを薬味として加えたり、レモンを絞ると、爽やかな風味が増します。
他の食材と一緒に炒める
鯖は缶から出してから加熱することで、またはアルコールと一緒に加熱することで臭み成分が揮発します。
その際、ごぼうやレンコンなどポリフェノールを含む食材、または玉ねぎやニラといったネギ科の野菜と一緒に炒めると、さらに臭みが抑えられます。
鯖缶はパスタや焼きうどんの具材として炒めるのもおすすめです。
煮る
臭み成分を揮発させるために、味付けをして煮込むのも効果的です。
みりんや料理酒、ワインを使えば、臭みを消すだけでなく、料理にコクと旨味を加えることができます。
このとき、トリメチルアミンが揮発するように鍋にフタはしないでください。
臭みを取るのに効果的な野菜としては、酸性のトマト、ポリフェノールを含むごぼうやレンコン、アリシンを含むネギ科の野菜が挙げられます。
また、スパイスやハーブを多用した鯖缶カレーもおすすめです。
炊き込みご飯
炊飯器を使って炊き込みご飯にすることで、鯖缶の臭いを抑えることができます。
鯖缶の汁、しょう油、みりん、料理酒で味付けし、鯖を乗せて炊くだけでは臭みが残ることもあります。
炊く前にスライスした生姜や、アク抜きしていないごぼうのささがきを加えてみてください。
炊き上がったら刻みネギを散らすことで、臭みがさらに抑えられます。
このように、鯖缶の臭いを消すための調味料、食材、調理方法は多岐にわたります。
これらを組み合わせることで、臭みのない鯖缶料理のバリエーションが広がるでしょう。
鯖缶を捨てた後の臭いを消す方法
鯖缶の臭いを抑える調理方法や、部屋に魚臭が広がらない方法を学びました。
次に、残り汁や空き缶から出る臭いをどう対処するかを紹介します。
残り汁
残り汁をそのまま排水口に流すと、排水口に臭いが残ることがあります。
残り汁をキッチンペーパーや新聞紙で吸収させ、それをビニール袋に入れて口をしっかり閉じて捨てましょう。
缶の縁で手を切らないように割り箸を使うと安全です。
時間が経つとビニール袋から臭いが漏れてくることがあります。
すぐにゴミ出しできない場合は、口を閉じる前にクエン酸スプレーを吹きかけるか、お酢やレモン汁を垂らすと臭いが抑えられます。
空き缶の処理
空き缶の内側には魚の臭いがついた脂が残っているため、冷たい水では落ちにくいです。
やけどしない程度の熱いお湯と中性洗剤で洗いましょう。
それでも臭いが取れない場合は、空き缶の中にクエン酸スプレーを吹きかけたり、お酢やレモン汁を垂らしてからお湯ですすぐと効果的です。
鯖缶はスチール製で鉄を含むため、シンクに長時間置いておくと錆びてしまいます。
なるべく早めに洗って処分するようにしましょう。
鍋、炊飯器、調理器具の洗浄
鯖缶を調理した後の鍋や炊飯器、調理器具は、臭いの原因となる油分で汚れています。
お湯と食器用中性洗剤を使って洗うと、汚れと臭いが落ちやすくなります。
シンクや排水口の清掃
鯖缶の残り汁がついたシンクや排水口は、流水で流すだけでなく、クエン酸スプレーなどを使うと臭いをスッキリ消せます。
クエン酸スプレーがない場合は、お酢やレモン汁を代わりに使っても効果があります。
~まとめ~
鯖缶の魚臭さの原因はトリメチルアミンという成分でした。
<トリメチルアミンの臭いを取る方法6つ>
- 酸性の調味料や食材と組み合わせる
- 加熱する、またはアルコールを加えて加熱する
- トリメチルアミンが多く含まれる汁を使用しない
- ポリフェノールを含む食材と調理する
- アリシンを含むネギ科の野菜と調理する
- スパイスやハーブを使う
鯖缶を調理する際は、あらかじめ風の通り道を作って換気を心がけましょう。
鯖缶の臭みを抑える調味料や食材、調理方法には様々な組み合わせがあります。
鯖缶料理の後は、残り汁、空き缶、シンクや鍋などの臭いや汚れにも適切に対処しましょう。
鯖缶は栄養豊富です。いろんな鯖缶料理にチャレンジしてみてください。