子供が食事で特定の食品だけを選んで他のものを全く食べない場合、親にとっては大きな心配ごとになります。
愛情を込めて作った栄養バランスの良い食事を拒否されると、確かにストレスを感じるものです。
この記事では、偏食がなぜ起こるのか、そしてそれをどのように克服するか、さらには取るべきでない行動について解説します。
偏食とは何か？
偏食とは、子供が特定の食品だけを好んで食べ、他の多くの食品を避ける行動のことを言います。
多くの子供が何らかの好き嫌いを持っていますが、偏食の場合は、特定の食品への偏りによって栄養バランスが損なわれ、必要な栄養素が不足することになります。
偏食が起こる理由
偏食は、2歳から4歳にかけて自我が形成される過程でよく見られます。
この時期の子供は、未知の食品に対して本能的に抵抗を感じることがあります。
この抵抗感は、視覚、嗅覚、味覚、触覚のいずれか、あるいはそれらの複合によって引き起こされることが多いです。
特に、食品の見た目や味、匂いに対してネガティブな反応を示す子供が多いのです。
ですから、子供が2歳になる前に様々な種類の食品を試してみること、そして最初に食べさせる食品は、できるだけ酸味や苦味が少ないものを選ぶとよいでしょう。
子供の食の好みを広げる5つの方法
食べ物に対する偏りや嫌いなものを克服するためには、子供たちがさまざまな食材と接する機会を増やすことが大切です。
子供一人一人が持つ食に対する感覚や価値観は異なるため、以下に紹介する5つの方法を試して、彼らの食事の範囲を広げてみてください。
食べ物の提供方法を変えてみる
苦手とする食べ物も、提供する方法を変えることで好んで食べる可能性を高めることができます。
食べ物が持つ味や香り、外見から受ける否定的な印象を改善することがポイントです。
例えば、野菜や果物を細かく切ることで形状を変えたり、甘いデザートの形で提供することで、子供が受け入れやすくなることがあります。
子供が「おいしい」と感じれば、それは食べ物に対する抵抗感を克服する良いきっかけになります。
自然に食欲を増やす方法
間食を習慣にしてしまうと、食事時間以外でもお腹を満たしてしまい、好まない食品を選ぶ意欲が減少します。
この習慣を改めるためには、スナックや夜食を控え、子供を外で思いっきり遊ばせて食欲を促すことが効果的です。
新鮮な食材の提供
多くの子供は野菜を苦手とする傾向がありますが、この固定観念を変えるには新鮮な食材を積極的に食卓に取り入れることが大切です。
新鮮な野菜は味わいが豊かで、鮮やかな色や輝きがあり、生で食べてもおいしいものがたくさんあります。
食事の環境を変えてみる
子供は新しいことに興味を示すため、普段とは異なる環境での食事は、普段敬遠しがちな食品にも挑戦するきっかけになります。
例えば、いつもと違う食器を使ったり、ピクニックのように屋外や新しい場所で食事をすることで、新鮮な気持ちになり、食べ物への関心を高めることができます。
食べられたら褒める
子どもが苦手な食品に挑戦したり、食べられなかったとしても、「よく頑張ったね」と褒めて励ますことが非常に重要です。
愛情あふれる保護者からのねぎらいは、子どもに大きな達成感を感じさせ、新しいことに挑戦する勇気を与えます。
これは子どもの食への興味を引き出し、前向きな態度を育むのに役立ちます。
避けるべき行動２つ
子どもの偏食を早く解決しようとする保護者の気持ちは理解できますが、時にその方法が逆効果となることがあります。
ここでは、子どもに対する接し方で特に避けるべき行動を２つ紹介します。
食事を強制しない
子どもが食べるのを渋る時、焦りやイライラを感じるのは自然なことですが、「早く食べなさい」「とにかく味を見て」と強要すると、子どもは食事そのものを嫌がるようになるかもしれません。
これは食事の時間を不愉快なものにし、保護者と子ども双方にストレスを与える原因となります。
ご褒美を使って食べさせる
「これを食べたらご褒美をあげる」という報酬方式は、予想外に逆効果になることがよくあります。
このアプローチを使うと、苦手な食べ物がさらに魅力を失い、子どもが自発的に食べようとする意欲を損なう可能性があります。
ご褒美がないと食事を拒否するようになりかねないので、この方法はおすすめできません。
まとめ
この記事で、偏食を改善するための方法と避けたい行動について解説しました。
偏食は、食べ物への接触が少ない子どもが大人になっても持続する傾向があります。
食事中に「これ、おいしいね」と楽しく話すことや、おいしそうに食べる様子を見せることが、子どもにも食事の楽しさを伝え、食べることの喜びを教えます。
好き嫌いが多いと心配になるかもしれませんが、慌てずじっくりと取り組むことが大切です。
