最近、スーパーマーケットやケーキショップで目にする機会が増えた「グルテンフリー」表示の商品。
これらは健康志向が高い有名人やモデルにも人気がありますが、実際のところグルテンフリーの意味や具体的な情報についてはあまり知られていないかもしれません。
この記事では、グルテンフリーがどういうものか、そして家で簡単に始める方法についてご紹介します。
グルテンフリーって何?
グルテンとは、主に小麦やライ麦に含まれる蛋白質で、グリアジンとグルテニンという二つの成分から成り立っています。この蛋白質は灰色がかった高い粘度を持ち、グルタミン酸を多く含んでいます。
日本で言う「麩」の原料としても知られていますね。グルテンフリー生活や製品は、こうした成分を含む食品を摂取しない選択を指します。
つまり、小麦やライ麦、デュラム小麦を含まない食事をすることを意味しています。
グルテンフリーがもたらす健康への利点
グルテンフリーに対する関心が高まった一因は、テニス界の著名選手ノバク・ジョコビッチの影響です。
ジョコビッチ選手がグルテンを含む食事をやめたことで、彼の精神状態と競技パフォーマンスが目覚ましく向上しました。
この体験は書籍にまとめられ、グルテンフリーへの世界的な注目を集めるきっかけとなりました。
日本国内でも以前から、栄養学の専門家や料理研究家がグルテン摂取の潜在的リスクに警鐘を鳴らしてきましたが、ジョコビッチ選手の事例が広く知られるようになってからは、これらの情報への関心も一層高まりました。
ジョコビッチ選手がセリアック病、すなわちグルテン過敏症を患っていたことから、彼にとってグルテンを避ける食生活が健康への大きな改善をもたらしたのは自然なことでした。
しかし、これが「グルテンフリー=健康向上」という一般化された認識を生み出してしまいました。
実際には、グルテンの摂取が健康に与える影響は個人差があります。
それでも、高須幹弥医師によれば、特定の条件を持つ人々、例えば小麦アレルギーやグルテン不耐性を持つ人々にとっては、グルテンフリーの食生活が健康にプラスの効果をもたらす可能性があります。
アレルギーの症状は常に明らかではなく、重大な反応が起きるまで気付かないこともあります。
さらに、グルテンを消化するのが困難な体質の人も存在し、このような人々はグルテンフリーの食生活によって体調が改善することがあります。
もし自分がグルテンに対して不耐性を持っているかどうかを知りたい場合は、3〜4週間グルテンを含む食品を避け、体の反応を見ることが勧められます。
グルテンフリー生活のメリット
グルテンの消化が難しい方が小麦やライ麦の摂取を控えることで、以下のような健康上の改善を体験できる場合があります。
- 肌の状態が良くなる
- 頭痛が減る
- 消化器官の働きが良くなる
- アレルギー性鼻炎の症状が和らぐ
これらの問題にお困りの方は、グルテンフリー生活を始めてみることをおすすめします。
手軽に始めるグルテンフリー
グルテンフリーへの切り替えは、実はとても簡単です。
日本の伝統的な食事はもともとグルテンフリーに近いため、特に日本では、欧米と比べて始めやすいです。
たとえば、朝食で食べるパンをご飯に変えたり、小麦を使った麺類をそばにするだけでも、大きな違いを感じられます。
醤油や味噌などの発酵食品に含まれる小麦に関しては、重度のアレルギーがなければ、それほど心配する必要はありません。
これらの食品ではたんぱく質が分解されているため、アレルギーを引き起こしにくいのです。
まずは、実行しやすい小さな変更から始めてみましょう。
手に入りやすいグルテンフリーの代わりになる食品
小麦を避けていても、たまには麺やパスタが食べたくなるものです。
そんな時に重宝するのが、簡単に手に入るグルテンフリーの代替食品です。
国内の大手スーパーや輸入食品店で、さまざまなグルテンフリー商品を見つけることができます。
特に人気があるのは、米を使った麺類や、ひよこ豆やとうもろこしを使ったスパゲッティ、米粉や大豆粉から作られたパンケーキミックスなどです。
これらは通常の製品と比べても遜色のない美味しさを提供します。
ただし、グルテンフリーの商品は往々にして、一般の小麦製品よりも値段が高くなる傾向にあります。
価格が2〜3倍になることも珍しくありませんが、コストを抑えたい場合は、米粉を使ったベトナムのフォーやブンなどを試してみると良いでしょう。
これらはカルディなどで容易に入手でき、グルテンフリーのパスタの代替品と比較しても手頃な価格で提供されています。
はるさめや葛切り、しらたきなどもグルテンを含まない食品として、日々の食事に簡単に取り入れることができます。これらを活用して、グルテンフリーでありながらも多彩な料理を楽しんでみてください。
グルテンフリー生活を続けるコツ
グルテンフリー生活を継続するコツは、ストレスを感じずにリラックスして取り組むことです。
小麦製品を完全に排除しようとすると、かえってそれらの食品を欲しくなってしまうことがあります。
そのため、「しばらく避けてみようかな」という気軽な心持ちで始めると、長期間続けやすくなります。
興味を持ったら、焦らず自分のできる範囲で試してみるのがおすすめです。